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社会的行動障害(高次脳機能障害)
お役立ち情報2021.1.12
こんにちは。
ご覧いただきありがとうございます。
前回は遂行機能障害についてお伝えしました。
今回は”社会的行動障害”についてお伝えいたします。
- 社会的行動障害とは
感情のコントロールが出来なくなり、不適切な行動をとること。
前頭葉(主に前頭連合野)の障害により生じやすい。
※有名な一例として・・・
責任感があり、人望に厚いフィニアス・ケイジは20代半ばにして、鉄道会社の鉄道工事の監督を務めていました。
1848年の爆発事故で、鉄棒がゲイジの前頭葉を貫通しました。
ですが、奇跡的に一命をとりとめ、仕事に復帰することが出来ました。
しかし、事故後のゲイジは無責任で怒りっぽく、作業の計画もうまく立てられませんでした。
周囲の人からは、「もはや彼はゲイジではない」と言われるようになりました。
その後、ゲイジは人格変化により鉄道会社を解雇され、定職につけずに生涯を終えた。
という例もあります。
他にも「ロボトミー手術(前頭葉白質切截術)」と呼ばれている。
主に精神疾患を呈した方へ行っていた、恐ろしい手術です。
副作用である無気力、受動的、意欲の欠如、集中力低下、全般的な感情反応の低下など、結び付けられると思います。
- 社会的行動障害の症状
①依存症・退行
→すぐに他人に頼り、子供っぽくなる。自分で判断が出来ない。
②共感性の低下
→相手を立場や環境を思いやることが出来ない。
③固執性
→こだわりが強く、同じことを続けている。他人の意見を聞かない。
④意欲・発動性の低下
→自分で考える事が出来ず、指示をされないと行動できない。
⑤抑うつ
→憂鬱な状態が続き、やる気が出ない。やることはわかっていても行動に移せない。
⑥欲求のコントロールの低下(脱抑制)
→なんでも欲しがってしまい。お金があると制限なく使ってしまう。
⑦感情のコントロールの低下
→場面にそぐわない事をしてしまう。すぐにイライラして、感情が爆発する。
- 社会的行動障害に対する対応
自分たちは
「寒いから外に出たくななぁ・・・けど仕事に行かなくてはみんなに迷惑も掛かるし・・・お金ももらえないと生活できないからなぁ・・・行くかぁ」
「あれ欲しいなぁ・・・けど今月の予算的に使うと、来月の車検で生活がカツカツになるしなぁ・・・ボーナスもまだ先で臨時収入も見込めない・・・けど、あれってホントに必要かな・・・すぐに使わないからまた今度でいいかぁ」
「あんなこと言われると流石にむかつくよなぁ・・・けどここで怒鳴ると後がめんどくさいし・・・他の人に迷惑かかるよな・・・けどここで言わないと相手の為にならないから、優しく言ってやるか」
など、
ほとんど無意識ではありますが、状況や欲求などに対して、現在の自身の状況と今後を予測して、どう行動するか処理されていると思います。
社会的行動障害を呈された方は、心の奥底にある「休みたい」「欲しい」「ムカつく」といった感情に対してストレートに行動してしまいます。
そのため、衝動的な行動をとったり、意欲が湧かなかったりといった行動障害が生じてしまいます。
まずは、
周りの人が「社会的行動障害という病気の一種」であるという事を受け入れて、理解する必要があります。
また、脳の障害される場所によって、生じる症状が異なりますので、どのような症状が出ているのかを、病前と比較する事が大切です。
行動に移せない方には、「やりなさい」という声掛けよりも、チェックリストなどの行動が起こせる又、管理できる工夫が大切です。
行動を続けてしまう方は、タイマーを設定して、アラームがなったら終わるように約束するなど、行動を終えるタイミングがわかるような工夫が大切です。
環境面では、様々な事柄に対して情報処理が困難な場合が多いため、「部屋を整理する」「気が散らないように場所を変える」などの工夫が大切です。
- 関連記事
遂行機能障害について(高次脳機能障害)
では失礼いたします。
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