シリーズ漢方薬④「風邪の時の漢方薬（実践編）」

漢方薬、と聞いてどんなイメージをお持ちですか？

苦い？くさい？効かない？副作用がない？

良いイメージや悪いイメージどちらもあるのではないのでしょうか？

ですが、大昔から、科学が発達した今の今まで、私達人間はなぜ手放さなかったのでしょう。

そこには、信頼のおける何かがあるに違いないのです。

そんな漢方薬の不思議と正しい付き合い方をシリーズでお伝えします。

＊当センターには薬剤師はおりません。あくまで鍼灸師の東洋医学知識によるものです。

漢方薬は、シリーズ漢方薬②（詳しくはこちら）でもお伝えしましたように、

その人の体質や状態によって選ぶ薬が違います。

ぴったりの薬を選ぶと、とても良く効きますので、選び方の基本をお話しします。

風邪の時の漢方薬の選び方は前回解説しましたが、少しおさらいしてみましょう！（詳しくはこちら）

風邪の時に使える漢方薬は「傷寒論」という中国の昔の医学書で解説されています。

風邪をひいちゃったなぁ、と思ったときは次のポイントを観察してみてください。

①熱はあるか

②汗はかいているか

③寒けはあるか（どんな寒けかしっかり聞き取りましょう）

④体の痛みやこわばりなどがあるか

⑤消化器症状はどうか（便秘・下痢・腹痛・吐き気や嘔吐・食欲　など）

特に①②③は重要なポイントです。

これらの症状を観察したら、早速近くのドラッグストアに行ってみましょう！

ドラッグストアにもよりますが、漢方薬を多種取り扱っているお店とそうでないお店があります。

ですが、一般的な漢方薬は大体のドラッグストアにも置いてあります。

ここではどこのドラッグストアさんでも置いてある、一般的な漢方薬について解説します。

桂枝湯

①熱　あり

②汗　あり

③さむけ　ぞくぞくする寒気あり

⑤消化器症状　からえずき

＋鼻が鳴る

桂枝はみなさん良くご存じのシナモンです。飲むとシナモンの香りがしますよ！

桂枝加葛根湯

①熱　あり

②汗　でる

③さむけ　あり

④体　首や項、背中がこわばる

⑤消化器症状はどうか（便秘・下痢・腹痛・吐き気や嘔吐・食欲　など）

皆さんご存知の葛根湯と桂枝湯を合わせたものです。

葛根湯

①熱　あり

②汗　なし

③さむけ　風が吹くとさむけがする

④体　頭痛、肩こり、ヘソのすぐ上にしこりがあり押すと痛い

⑤消化器症状　下痢（下痢はないことが多いが、もし下痢があっても葛根湯でOK）

＊葛根湯と桂枝加葛根湯は、「汗」のあり・なしが要点です！

＊下痢はなく、嘔吐がある場合は葛根加半夏湯を選びましょう

有名な葛根湯です。風邪のひき始めには葛根湯、と思っている方もいるかもしれません。

しかし、効かなかったことはありませんか？それは症状が合っていなかった可能性があります。

麻黄湯

①熱　あり

②汗　なし

③さむけ　あり

④体　身体の痛み、腰痛、関節の痛み　

＋ゼイゼイする

ふしぶしが痛み、汗が出ない風邪に良く効きます。麻黄湯を飲んで、汗を出すと風邪も一緒に出ていきますよ。

風邪のひき始めには葛根湯！と皆さんは思っていたかもしれませんが、

葛根湯が効く風邪と聞かない風邪があるんです！

是非自分の風邪の症状に合った漢方薬で、風邪のひき始めを

セルフメディケーションしてみてください！