脊髄損傷の方
交通事故や高い所からの落下などにより、脊髄を損傷し、麻痺などの後遺症が出る疾患です。首から下が全く動かない、腰から下が動かない、暑い寒い痛いなど皮膚の感覚が無い、排尿・排便がコントロールできないなど、損傷した箇所によって、様々な後遺症が出てきます。脊髄は背骨の中にある大きな神経の束で、身体の各箇所と脳とを繋ぐ大切な器官です。脊髄は手や足を動かす運動面の役割と、痛みや温度などを感じたりする知覚の役割がありますが、その脊髄が傷付いた状態を脊髄損傷といいます。
施術方法
- 運動(リハビリ)・予防
残念ながら傷付いた神経が元通りになることはありません。そのため、施術の目的は、残された機能をどのように使い、強化し、日常生活動作(ADL)を可能にするかということになります。手が使えなければ口や足を使う、暑さ寒さを感じなければ温湿度計に従って着る物を調節するなど、より良い環境を作っていくことはできますし、そうしなければ危険な目にも遭ってしまいます。快適で安全な生活を営むために、理学療法士や作業療法士がお手伝いいたします。
麻痺した神経機能の改善は難しいですが、残った機能も使わなければ弱っていきます。そうならないため、脊髄損傷後に残った機能を評価し、適宜ゴール設定をしていきます。ゴールには様々な形態があります。社会復帰、学校への復学、家庭への復帰など、目指す目標に向かって、必要なリハビリメニューを組み立てます。
脊髄損傷から社会復帰に至るには様々なハードルを越えなければなりません。車椅子を使うなら操縦やバリアフリーへの対応、歩けるのであれば状態に合わせた歩行補助具の選定など専門知識により対応が必要になります。