認知症の方
「ぼける」と総称されることの多い「認知症」ですが、この「認知症」という言葉は病名ではありません。「ぼけた」ような状態を表す言葉です。日本人の「認知症」で6割以上は「アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)」です。この「アルツハイマー型」はメディアにも取り上げられることが多く、皆様ご存じのことと思います。残りの4割は、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症(ピック病)の3つと、アルツハイマー病と脳血管性認知症の混合タイプも含まれます。
認知症になると、記憶力の低下、コミュニケーション能力の低下のほか、言語力・集中力・注意力・論理的思考力・判断力・視覚認知力が低下します。自分で動こうとする気力を失くすこともあり、周りのご家族が、片時も目を離せない状態になってしまいます。
施術方法
- 内科治療として薬
- 運動(リハビリ)・予防
認知症の治療には数種類の治療薬があります。すでに病院で処方されていらっしゃることと思います。これらの薬は、認知症の進行を遅らせたり、症状を軽くしたりする効果がありますが、根本的な治療はできないのが現状です。
リハビリでは、まず運動療法が効果が出やすいとされています。ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングやエアロバイク(自転車こぎ)などの有酸素運動が良いでしょう。運動により脳内血流と酸素量を増加させ、脳細胞にメリットをもたらす可能性があることがわかっています。この運動の効果を最大限に活かすためには、毎日行うことが大切です。週に1度のきつい運動よりも、30分程度の軽い運動を週3~4回、できれば毎日行うほうが効果的です。身体に無理のない範囲で、半年から1年程度は運動を続けることで効果が明確になるとされています。さらに、運動をしながら、同時に脳に負荷をかける(頭を使う)とより効果的だとされています。例えば、ウォーキングや踏み台昇降をしながら簡単な計算をしたり、しりとりをしながら歩く方法が有効です。
他に有効な手段としては、「話しをする」という方法があります。特に昔話になると饒舌になられるようです。音楽を聴きながら踊ったり、リズムを叩いたりする方法も、脳が活性化しますね。絵を描いたり、動物と触れ合ったり、いろいろな手段を用いて、脳に刺激を与えることが大切です。