小脳疾患の方
小脳・脳幹・脊髄の障害により、円滑に運動が出来なくなった状態です。真っ直ぐに立てない、真っ直ぐに歩けない、物に手が届かない、手が震えて字が大きくなる、言葉をうまく話せない、痺れる等の症状が出てきます。脳血管障害、外傷、脱随疾患、腫瘍などがその代表ですが、慢性アルコール中毒、薬物中毒、感染症による小脳の炎症でも同じような症状がみられますので、原因を見分けることが大切です。
小脳梗塞による障害には、めまいや吐き気のほか、血管が詰まった側の手足が動かせなくなる、ロレツが回らなくなる、歩けなくなる、身体が片側に傾くなどの症状があります。
施術方法
- 内科治療として薬
- 外科手術
- 運動(リハビリ)・予防
小脳の機能を維持するために、運動機能障害に対して歩行訓練やバランス訓練を実施します。具体的には、運動失調に対して小脳への固有感覚や視覚等の感覚入力を強化する介入が行われます。重錘(じゅうすい)による負荷や、弾力帯装着をしての運動、フレンケル体操や固有受容性神経筋促通法(PNF)です。また、リラクセーションや動作の反復練習、中間姿勢の練習も有効です。廃用症候群(過度の安静による心身の機能低下)を併発しやすいことから、筋力発揮の機会をつくることも必要であり、持久力低下に対しては自転車エルゴメーターなどの有酸素運動や低負荷高頻度の運動、最大筋力の改善には自重を用いる方法や重錘・ゴムベルトを用いる方法などがあります。